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ロバート・A・ハインライン原作の古典SF『プリデスティネーション』を観てきた感想

ロバート・A・ハインライン原作の古典SF『プリデスティネーション』を観てきた感想

大好きなSF作家のひとり、ロバート・A・ハインラインの『輪廻の蛇』が映画化!これは絶対観なくてわ!と思ったものの、いつもの映画館ではやってくれないようなのでユナイテッド・シネマズとしまえんまで遠征してきました。

あらすじ

1970年のニューヨーク、とある場末のバーで、告白小説で日銭を稼いでいる男がバーテンダー相手に一つの賭けをする。並大抵の話では驚かないと豪語するバーテンダーに対して、男はこれから話す物語は誰も聞いたこともないような信じられない話だという。ウィスキーボトルを賭けて男は語り始める。「おれがまだ小さな娘だったころ…」

みどころ

わずか28ページの原作がベース

ハイラインの原作『輪廻の蛇』はなんとわずか28ページ!10分あれば読めちゃうくらいのショートショート。原作は一読しただけだと消化しきれない感がありますが、映画版では新たにボマーと組織の上官という2人の登場人物を追加することで、とてもわかりやすい展開になっています。原作を読んでる人も新たな登場人物の謎はきっと楽しめるはず。

サイバーパンクなタイムマシン

映画化にあたり監督は『デイブレイカー』のピーター&マイケル・スピエリッグ兄弟が担当。『デイブレイカー』ではヴァンパイアに支配された近未来をスタイリッシュに描いた彼らは、今作でもスタイリッシュな映像を見せ楽しませてくれます。

でも、肝心のタイムマシン(USFF総合時標変界装置)はどう見てもただのギターケースですw しかも飛び先の指定はダイヤル式という超アナログ仕様。これぞサイバーパンク…いや、こんな地味なタイムマシンは初めてかも。タイムトラベル(ジャンプ)するたび、衝撃派で周囲が破壊されるのとても不便そうです (´;ω;`) ブワッ

全てシーン、全てのセリフに意味がある

原作『輪廻の蛇』とは自らの尾を喰らうウロボロスの蛇ことであり、それが象徴するものは永劫回帰、死と再生といった終わりのないループです。勘のいい人ならそれだけである程度展開が読めちゃうかもしれませんが、読めちゃっても全然問題ありません!というか、全てのシーン、セリフのひとつひとつが緻密に積み上げられていることが感じられて萌え萌えきます。

個人的な感想

映画の半分くらいは男とバーテンダーの会話シーンで地味だし、SF的な派手なギミックもほとんど登場しません。だけど、地味な絵面の反面、語られる物語は奇想天外で、不思議なストーリーにグイグイ引き込まれていきます。そして終盤、積み上げられた謎の数々が明かされ、全ての伏線が回収されたとき、爽快なカタルシスを味わうことができます。これだからタイムトラベルモノはやめられないのよね。

今でこそどこかで観たような感じはあるものの、原作は1959年に書かれたものだということを忘れてはいけません。映画化のおかげで『輪廻の蛇』が復刊されたので興味を持った人はぜひ手に取ってみてください。ハインラインのタイムトラベルSFの傑作『夏への扉』もオススメです!

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