一番狂ってるのはだれだ?『マッドマックス 怒りのデス・ロード』を観てきた感想
(投稿日:2015年06月24日)前作『マッドマックス サンダードーム』から30年、なんとシリーズ最新作がスクリーンに帰ってきました!「なんでいまさらマッドマックス?」なんて愚問は予告編を観てもらえればぶっ飛びます。とにかくこのマッドな世界を堪能しましょう。
あらすじ
1999X年、世界は核の炎に包まれた…わずかに生き残った人類は、水、ガソリン、弾薬、女など、残された資源を奪い合う日々を送っていた。
砂漠を支配するイモータン・ジョーの捕虜になったマックスは、イモータン・ジョーを裏切り、彼の資源を奪って逃走した女戦士フェリオサの追跡に駆り出される。広大な砂漠を舞台に、度肝を抜く改造車たちの決死のカーチェイスがはじまる。最後に生き残るのは誰だ?
みどころ
絶望!狂気!期待通りのディストピア!
『北斗の拳』『ウォーターワールド』など数多くの作品に影響を与えた本シリーズですが、その狂気の終末世界が魅力のひとつ。核戦争の影響で荒廃した世界、わずかに残された資源を支配するのはなぜかヒャッハー!な暴走族たち。さらに今作からは白塗りの「ウォーボーイズ」なる狂信者軍団も加わり狂気が増しております。ディストピア(絶望郷)を描いた作品は数あれど、ある意味これほど期待通りで、そして期待以上の世界はありません。
どうしてこうなった?狂った改造車たち!
ほとんどのシーンがカーチェイスな本作ですが、登場する車が1台残らず狂ってますw フェリオサが走らす巨大トラック「ウォーホース」、音楽で戦場を盛り上げる「ドラム・ワゴン」、イモータル・ジョーが乗るV8エンジン車を2台重ねたモンスターマシン「ギガホース」をはじめ130台もの改造車を用意したそうです。マックスの愛車「インターセプター」も健在です(あまり活躍しなかったけど)。この狂った作品たちを見てるだけでもテンションあがります。
実はマックスより強い女性たち
片腕でスキンヘッドの女戦士フェリオサ(シャーリーズ・セロン)、ジョーの奴隷妻、砂漠のオートバイ集団「鉄場の女たち(Vuvalini)など、本作に登場する女性たちはみな、自分の人生を取り戻すために戦う強い女性ばかり。下手するとマックスより根性あります。どうしてもマッチョなイメージのあるシリーズですが、あえて女性にこそ観てもらいたい映画です。
個人的な感想
冒頭のマックスの独白が終わったら説明はおしまい、あとはずっとアクセル全開、ひとくぎりつくところ(砂嵐のあと)まで、息をするのも忘れるくらいスクリーンに釘付けでした。他の観客も同じだったみたいで一斉にフーって息を吐く音や、すわり直す音が聞こえました。それくらい掴みから魂が持っていかれます。
ほぼ全編ただまっすぐ走るだけのカーチェイスなのに、なんでこんなにおもしろいんでしょう。ストーリーも一応あるんだけど、衝撃的な映像とアクションでアドレナリン全開です。つかのま完全に現実を忘れてのめり込める絶品のエンターテイメント作品です。『ワイルド・スピード』シリーズなどカーチェイスものが最近アツいのでこの勢いで『デスレース』あたりも再リメイクしていただけるとうれしいです。
タイトル通りいろいろ狂ってる本作、マックス役のトム・ハーディー、フェリオサ役のシャーリーズ・セロンもかなりイケてましたが、一番狂ってるのは監督のジョージ・ミラーなんじゃないでしょうか。『ベイブ』や『ハッピー・フィート』とかのほのぼの系撮りながら、内にはこんな狂気を抱えていたなんてw もう『ベイブ』とかふつうに観れません。